当記事の比較は素人による独自の見解です。
ちゃんと獣医さんと相談の上でフードは選んでくださいね。
先日我が家の「そらまる」君が尿閉塞を起こし、急遽病院で処置をしてもらいました。
以前、同様の病気にかかったことがあったのですが、今回数年ぶりに再発しました。
前回の症状が収まってからはピュリナワンの下部尿路の健康維持フードをあげていたのですが、ウチの猫には体質的にあまり効果が出ていなかったようです。
これから獣医さんと相談し、検査して効果を確認しながら最終的に餌を決定していくのですが、
尿路疾患などの療法食は高いです💦
・値段によってどういった違いがあるのか?
・高いからいいものなのか?
なるべく安くていいものを選びたいと考えてしまうため、市販されている以下の下部尿路疾患用のキャットフードを徹底比較しましたので、ぜひ一読ください。
それぞれの価格差はどれくらいあるのか?
まず、2kg2セットの価格をAmazonで比較すると、ピュリナワンとヒルズ・ロイヤルカナンでは倍程度の価格差があります。
値段の比較
ヒルズ c/d マルチケア > ロイヤルカナン ユリナリーS/O > ベッツワンベテリナリー pHケア > ピュリナワン
(※2023/4時点のAmazon調べ)
ピュリナワンとヒルズのセット価格で約7,000円の差額なので、2kg当たり3,500円差になります。
1ヵ月に約2kg消費するので単純計算で年間「3,500円 × 12カ月 = 42,000円」もの差額です。
多頭飼いと更に負担が増していきます💦
とはいえ、愛猫の命に関わることなのでしっかりと考えなければいけません。
各製品の特長・原材料・保証成分・カロリー
比較対象のフードの「原材料・保証成分・カロリー含有量」をホームページで調べてみました。
それぞれのフードを単独で見ると、尿PHをコントロールするよう設計されており、尿路結石の元なるストルバイトやシュウ酸カルシウムの成分を抑えていることを謳っています。
個別で見ると、どの製品もよさそうに見えるわね。
わかりやすいように、それぞれの製品紹介の後に原材料や保証成分の比較表を作りました。
ピュリナワン 下部尿路の健康維持 F.L.U.T.H.ケア チキン
- 尿pHの値を約 6.0~6.5にコントロールするよう設計し、尿路結石の形成を抑制
- オメガ3脂肪酸を配合し、尿路の健康維持をサポート
- 適切なリンの含有量。ビタミンE、Cなどの抗酸化成分、オメガ3脂肪酸が腎臓の健康維持をサポート
原材料・保証成分・カロリー含有量
原材料 | チキン、チキンミール、コーングルテン、小麦、米、脱脂大豆、鶏脂(オメガ6脂肪酸源)、フィッシュミール、大麦、とうもろこし、小麦たんぱく、たんぱく加水分解物、可溶性繊維、魚油(オメガ3脂肪酸源)、酵母(βグルカン源)、ミネラル類(カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、クロライド、マグネシウム、鉄、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素、セレン)、ビタミン類(A、D、E、K、B1、B2、パントテン酸、ナイアシン、B6、葉酸、ビオチン、B12、コリン、C)、アミノ酸類(メチオニン、タウリン) |
保証成分 | たんぱく質:34 %以上、脂質:14 %以上、粗繊維:3 %以下、灰分:8.5 %以下、水分:12 %以下 カルシウム:0.6 %以上、リン:0.5 %以上、マグネシウム:0.1 %、タウリン:0.1 %以上、ビタミンC:64 mg/kg以上、ビタミンE:493 IU/kg以上、オメガ3脂肪酸(DHA+EPA):0.2 %以上、オメガ6脂肪酸(リノール酸+アラキドン酸):1.2 %以上 |
カロリー含有量 | 約 370 kcal / 100 g |
お値段
ロイヤルカナン ユリナリーS/O ドライ チキン
- ストルバイトが形成されにくい弱酸性の尿となるように、ミネラルなどの栄養バランスを調整
- 健康的な尿量維持のために、ミネラルなどの栄養バランスを調整
- 尿中のストルバイトやシュウ酸カルシウムの飽和度が高くない健康的な尿量を維持
- ストルバイト結石(リン酸アンモニウムマグネシウム)の構成成分であるマグネシウム含有量を制限
原材料・保証成分・カロリー含有量
原材料 | 米、超高消化性小麦タンパク(消化率90%以上)、肉類(鶏、七面鳥、ダック)、コーンフラワー、動物性油脂、加水分解タンパク(鶏、七面鳥)、植物性繊維、コーングルテン、魚油、大豆油、フラクトオリゴ糖、マリーゴールドエキス(ルテイン源)、小麦粉、アミノ酸類(DL-メチオニン、L-リジン、タウリン)、ミネラル類(Cl、Na、K、Ca、P、Zn、Mn、Fe、Cu、Se、I)、ビタミン類(コリン、E、A、ナイアシン、ビオチン、葉酸、B2、パントテン酸カルシウム、B6、B1、D3、B12)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリーエキス) |
保証成分 | たんぱく質:32.5 %以上、脂質:13.0 %以上、粗繊維:3.9 %以下、灰分:9.8 %以下、水分:6.5 %以下、食物繊維:6.9 % ビタミンA:24,000 IU/kg、ビタミンD3:800 IU/kg、ビタミンE490 mg/kg |
カロリー含有量 | 387 kcal/100g |
お値段
ヒルズ c/d シーディー マルチケア チキン ドライ
- ミネラル、尿pHバランスに配慮し、ストルバイト尿石、シュウ酸カルシウム尿石形成抑制をサポート
- カルシウムの含有量を調整、クエン酸カリウムを配合、低ナトリウム
- 抗酸化成分、オメガ-3脂肪酸含有
- ストルバイト尿石溶解時の管理に、最短7日間(平均27日間)で役立つことが科学的に証明
原材料・保証成分・カロリー含有量
原材料 | 米、トリ肉(チキン、ターキー)、小麦、コーングルテン、動物性油脂、植物性油脂、ポークエキス、魚油、ミネラル類(カルシウム、ナトリウム、カリウム、クロライド、銅、鉄、マンガン、セレン、亜鉛、イオウ、ヨウ素)、乳酸、アミノ酸類(タウリン、トリプトファン、メチオニン、リジン)、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、クエン酸カリウム、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物) |
保証成分 | たんぱく質:33.9 %、脂質:16.1 %、炭水化物(NFE):43.7 %、粗繊維:1 %、灰分:5.4 % カルシウム:0.79 %、リン:0.68 %、カリウム:0.68 %、ナトリウム:0.37 %、マグネシウム:0.072 %、タウリン:0.25 %、ビタミンA:6353 IU/kg、ビタミンC:0 ppm、ビタミンD:675 IU/kg、ビタミンE:684 IU/kg、オメガ‐3脂肪酸:0.75 %、オメガ‐6脂肪酸:3.41 %、ベータカロテン:0.85 ppm |
カロリー含有量 | 3878 Kcal/kg=387.8 Kcal/100g |
お値段
ベッツワンベテリナリー 猫用 pHケア チキン
- ストルバイト結石症の食事療法のため、マグネシウムを制限
- シュウ酸カルシウム結石症の食事療法のため、カルシウムを制限し、ビタミンDを調整
- EPA・DHA、オメガ6脂肪酸を含む栄養素をバランス良く配合。健康的な脳と皮膚、被毛の維持をサポート
- 腸内フローラを整えるため、善玉菌のエサとなる食物繊維(セルロース)、フラクトオリゴ糖を配合。さらに消化吸収の負担が少ない小麦タンパク質分離物(消化率90%以上)、ジャスミンライスを使用し、猫のお腹の健康維持をサポート
原材料・保証成分・カロリー含有量
原材料 | 鶏肉、加水分解動物性タンパク(鶏肉)、玄米、ジャスミンライス、油脂類(動物性油脂(鶏)、魚油)、タピオカ、コーングルテンミール、小麦タンパク質分離物(消化率90%以上)、小麦粉、ミネラル類(Cl、Na、K、Ca、P、Zn、Fe、Mn、Cu、I、Se)、植物性繊維(セルロース繊維)、アミノ酸類(L-リジン、DL-メチオニン、L-トレオニン、タウリン)、ビタミン類(コリン、E、ビオチン、ナイアシン、パントテン酸カルシウム、B2、B6、A、B1、B12、葉酸、K3、D3)、フラクトオリゴ糖、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリーエキス)、マリーゴールドエキス(ルテイン源) |
保証成分 | たんぱく質:32.0%以上、粗脂肪:13.0%以上、粗繊維:4.0%以下、粗灰分:10.0%以下、水分:6.5%以下 ●分析値(乾物重量比) タンパク質:34.2%、アルギニン:1.61%、ヒスチジン:0.63%、イソロイシン:1.14%、ロイシン:2.61%、リジン:1.54%、メチオニン+シスチン:1.37%、フェニルアラニン+チロシン:2.36%、トレオニン:1.27%、トリプトファン:0.26%、バリン:1.34%、脂質:16.9%、カルシウム:0.74%、リン:0.64%、カリウム:1.25%、ナトリウム:1.27%、クロール:2.59%、マグネシウム:0.08%、鉄:165mg/kg、銅:16.2mg/kg、マンガン:36mg/kg、亜鉛:151mg/kg、ヨウ素:2.6mg/kg、セレン:0.46mg/kg、ビタミンA:14000IU/kg、ビタミンD3:847IU/kg、ビタミンE:657IU/kg、ビタミンC※:13.75IU/kg、ビタミンK:0.24mg/kg、ビタミンB1(チアミン):13mg/kg、ビタミンB2(リボフラビン):35.6mg/kg、ビタミンB5(パントテン酸):54.7mg/kg、ビタミンB3(ナイアシン):187mg/kg、ビタミンB6(ピリドキシン):20mg/kg、葉酸:5.5mg/kg、ビタミンB12:0.24mg/kg、ビオチン:2.3mg/kg、コリン:3500mg/kg、タウリン:0.35%、L-カルニチン:30mg/kg、オメガ6(リノール酸+γ-リノレン酸+アラキドン酸):2.79%、オメガ3(DHA+EPA+ALA):0.72%※ビタミンC誘導体由来 |
カロリー含有量 | 375kcal/100g |
お値段
マグネシウム・リン・カルシウムの含有量比較
紹介した4つの製品の原材料のうち、尿路疾患に関わるマグネシウム・リン・カルシウムの成分含有量を比較します。
結石の原因物質となる成分なので、「低い方がよい」と見てください。
尿路疾患に関わる成分
- ストラバイト結石症(リン酸アンモニウムマグネシウム):マグネシウム、リン
- シュウ酸カルシウム結石症:カルシウム
表を見ていただくとわかりますが、意外にもお値段的にお得な「ベッツワンベテリナリー pHケア」の成分がいい感じです。
・マグネシウムはロイヤルカナン ユリナリーS/O と同レベル、ヒルズ c/d マルチケア とも0.01%差と低水準
・リン・カルシウムの配合量は他製品より低い
ピュリナワンのリン・カルシウムは「0.X%以上」という表記なので、低いように見えて上限が判断できないです。
原材料比較表
次に他の原材料も比較してみました。
各メーカーで書き方は様々なので一概に比較はできないものの、特定の製品のみに含まれている成分や、逆に含まれていない製品がなんとなく傾向が見えてきます。
ヒルズに入っているアミノ酸の「トリプトファン」って何?
トリプトファンは1901年にはじめて単離されたアミノ酸で、セロトニンおよびメラトニンなどの前駆物質となる。
犬と猫の栄養成分辞典
トリプトファンから合成されるセロトニンは「幸せホルモン」と言われ、精神を安定させる作用がある物質です。
猫でも同様の効果があると言われているため、ヒルズ c/d マルチケアではトリプトファンを入れることで猫のストレスを軽減させる効果を狙っているようですね。
ストレスで餌や水分をとらない可能性もあるので、そこまで考慮しているということですね。
ヒルズに入っているビタミンの「ベータカロテン」って何?
体内でビタミンAに変換されビタミンA活性を示すため、プロビタミンAとも呼ばれるが、猫ではこの酵素を持たないため変換されない。
犬と猫の栄養成分辞典
ベータカロテンって人参の色素成分としてテレビなどでも取り上げられますね。
これは体内でビタミンAに変換されて皮膚や被毛に良いとされているようですが、僕が調べた限りでは、猫はベータカロテン→ビタミンAに変換できないため、ベータカロテン単独で接種しても効果はあまりなさそうでした。
僕が知らない効果があるかもしれないので参考までに読んでください。
ベッツワンに入っているアミノ酸の「L-トレオニン」って何?
スレオニン(トレオニン)は、エネルギー産生にかかわるピルビン酸塩など、数多くの物質代謝の上で重要な化合物の前駆物質として機能する
犬と猫の栄養成分辞典
トレオニンはスレオニンとも呼ばれ、猫の場合は代謝を促進したり、爪や被毛を構成している「ケラチン」というたんぱく質の合成に不可欠なアミノ酸です。
とり肉や魚から摂取できる成分ですが、穀物中のトレオニン(スレオニン)は消化吸収率が低いため穀物が主成分のキャットフードの場合は添加されることがあるようです。
ベッツワンでも他製品と同様「鶏肉」を使っていますが、追加で添加しているようです。
ヒルズに入っている「クエン酸カリウム」って何?
その名の通りですが、クエン酸が体液バランスの維持をサポートし、カリウムで不足しがちな血中カリウムの補充を行います。
カリウムは細胞が正常に機能するために不可欠なミネラルで、腎臓サポートにも効果があると言われていて、サプリなども発売されています。
ピュリナワンに入っている「酵母(βグルカン源)」って何?
βグルカンは腫瘍やがんを抑えるといった「免疫力を強化する」という効果があるようです。
ピュリナワンでは免疫力強化を目的に配合していると思われます。
保証成分比較表
次に保証成分の比較になります。
こちらも各メーカーで書き方は様々なので一概に比較はできないため参考としてみてください。
ロイヤルカナンはホームページに明記されていないため不明ですが、ヒルズやベッツワンのオメガ脂肪酸の数値が良いようです。
※オメガ脂肪酸は「皮膚や被毛を健康に保つ」「腎臓保護作用」「炎症を抑える」などなど広く健康によいとされている成分です
オメガ脂肪酸は人間の健康にも欠かせない必須脂肪酸として多く製品化されていますよね。犬猫にも良いとされているので配合されています。
まとめ
今回、各製品の成分などを比較しました。
結果として、僕たち夫婦目線でもヒルズやロイヤルカナンと同じ水準の餌かと思いましたし、獣医さんとも相談したところOKが出ましたので、まずは「ベッツワンベテリナリー pHケア」を試して様子をみることにしました。
猫の体質によって効果の有無は違うようなので、しばらく切り替えた後に再度尿検査にいってみます。
お財布的には効果が出てくれたらうれしいけど、効果がなければヒルズ・ロイヤルカナンを試す予定です。