注文住宅の平面図(間取り図)は最終的にマイホームの設計書となり、現場工事担当者への指示にも使われます。
なのでこの図面が間違っていれば、建築される家も間違った仕様になってしまいます。
しかし、平面図は素人には複雑怪奇な記号がたくさんあるので、読み解くことを諦めている方もいると聞きます。
「設計担当を信頼しているから」と言うと聞こえはいいですが、設計担当だって「人」なのでミスはしますし、各社標準仕様が決まっているので、全てを施主側に確認・チェックはしていません。
その結果、引き渡し後に「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまいます。。。
折角長い時間をかけて打ち合わせしてきたのに後悔したくないですよね
今回は、そういう後悔を少しでもなくすために、私たち夫婦が最低限チェックした点をご紹介します。
とりあえず、この記事の内容だけでもチェックしておけば、目立った後悔は少なくなるはず
実際にはExcel・Googleスプレッドシートの表形式にまとめてチェックするのが一番です
この記事でわかること
・間取り平面図で最低限チェックすること
・部屋別にチェックポイントを解説
・チェックしてよかったことをご紹介
注文住宅を依頼しているのは施主なので、後悔しないようにしっかりと確認しましょう!
契約前や建築申請前には必ずチェックしてみてください
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間取り図・平面図の違い
チェックポイントに入る前に、前提知識を記載するのでお付き合いください。
よく同じ意味で使われる「間取り図」「平面図」は全く別モノであるということです。
言葉の違いは解釈の違いに繋がっていくので、担当さんと話をする際にも気を付けてほしい点です。
間取り図と平面図
・間取り図:各部屋の配置や広さといったゾーニングを決めることが目的。寸法縮尺は適当。
・平面図:建物を真上から見下ろした図面のことで、「間取り図」を基に正確な寸法縮尺でCADを使って作成されます。
間取り図と平面図の実例
見てわかるように、間取り図では詳細な寸法はわからず、平面図で正確な寸法がわかります。
平面図の記号について
平面図には様々な記号や略語が書かれており、窓の種類別のアイコンやコンセント・スイッチ類、壁や天井の補強も全て表現されています。
初見では解読不能ですが、設計士さんと打ち合わせする時に図のように凡例を受領しているかと思いますので、参照しながら平面図を理解していきましょう。
もし無くしてしまってたら、担当者さんにもらいましょう!
補足:CADってなに?
この平面図について話すとき「CAD図面」という単語が飛び交ったりしますので補足です。
CAD???
CAD(computer-aided design)はコンピュータを使用して設計や製図をするシステムのことです。
図形をコピーできるので効率的ですし、人による寸法ミスや面積計算ミスをなくすことができます。
それでは本題!間取り平面図で最低限チェックするポイントです!
外観でチェックするポイント
エアコン室外機・給湯器は見えない位置にある?
外観は家の顔!
人通りが多く、自分の家がよく見える道路側にエアコン室外機や、まさかエネファームなどの給湯器がドンッ!!!って配置されていないですか?
気にせず配置されることもあるようなので、しっかり確認しましょう。
室外機の場所や配管は間取りのゾーニングに関わってくるので、本来はもっと早めに検討すべき!
けど最終図面の段階でも気づいたら、どうにかよくする方法を探しましょう!
窓の種類は合っている?
改めて、窓の種類が想像している種類通りか確認しましょう。
例えば
・その窓は引き違いで合っていますか?
・開けることがない窓はFIX窓になっていますか?
・むしろその窓は本当に必要ですか?
FIX窓と思ってたら、引き違い窓だった!とならないように確認しましょう
種類に加えて「位置」も確認してくださいね
外観で見える部位の色は確認した?
外壁・屋根の色は皆さん確認されると思いますが、以下で知らない部分があるかもしれません。
例えば
・軒の色は?外壁と合ってますか?
・雨樋の色は?外壁と合ってますか?
・外部コンセントカバーの色も変ではないですか?
・換気口カバーの色は?
・窓サッシの色は?内外で選べる場合もあるので、確認しましたか?
軒や窓サッシの色は確認しているかもしれませんが、換気口カバーの色や形状は盲点だったりします。
外壁が”黒”なのに、カバーが”ホワイト”になったら浮いてしまいますのでご注意を。
なお換気口については形状・色だけでなく、位置もそこでよいか?の確認をおススメします。
電柱からの配線はどこ?
これはあまり気にされていないかもしれですが、認識しておいた方がよい点です!
うちは設計士さんが教えてくれて、「あっそこに電線通るんだ!」と知ることができました。
これは電柱の場所が決まっているので、知ったからといってどうしようもないのですが、竣工して初めて知るサプライズ感は軽減されると思います。
玄関・土間収納でチェックするポイント
続いて家の入口関連のチェックポイントです。
玄関ドアの鍵はスマート化する?
最近はスマートホームの流行にのり、多くのメーカーがスマートキーを導入していますが必要ですか?
そういう流行もあるので、ハウスメーカー担当者もサラッと「玄関ドアはスマートキーでよいですか?」と聞いてきます。
我が家も聞かれましたが「いりません」と即答しました。
スマートキーは後付けできることをご存知ですか?もし知らない方がいたら、数万円減額できることなので一考してください。
例えば、以下のQrioであれば、工事不要で取り付けられますし、完全ハンズフリーで解錠できます。
(ハウスメーカーで選択できるものは、ここまで高性能でなかったりします。)
将来子供が使うことも考えて、製品展開がおおく、実績も多いQrioを採用予定です。
照明計画は考えた?
玄関や土間収納は、明るさが欲しいゾーンになるので多めに提案される部分です。
最終図面で今一度確認しましょう。
例えば
・玄関外はセンサーライトになってるけど、必要ですか?
(例えばアプローチに照明を置けば必ずしも必要ないです。)
・ダウンライトでいいですか?ブラケットライトとか検討しましたか?
うちはアプローチに日射量で自動点灯する照明を付ける予定なので、アプローチの証明はセンサーにはしませんでした。
収納棚の色・形状は確認した?
自分が想像している色・形となっているか確認しましょう。
特に、棚が可動・固定になっているか、幅は十分か、ハンガーパイプは必要ないか?は今一度ご確認を!
例えば
・棚の色は確認しましたか?
・可動棚にしなくてよいですか?
・収納は棚で十分ですか?有効ボードなど後でカスタマイズできる部分は不要ですか?
・棚やハンガーパイプの幅は十分ですか?
靴をいれる場所とハンガーパイプの幅は要確認です。
・2足分の幅はしっかりと確保
・ハンガーパイプは家族分のコート分を確保
壁の補強はいらない?
DIYされる方は壁の補強を依頼しておいた方が安心です!
コンセント・スイッチ計画は考えた?
コンセントの数と場所・高さ、帰宅時や家を出る際のスイッチの連動について計画されていますか?
例えば
・コンセントの数は十分ですか?電動自転車や電動工具の充電、季節のグッズなど置く場合の電源は十分ですか?
・コンセントの高さはOKですか?地面寄りではなく、棚の中などにつける必要はないですか?
・帰宅時や家を出る際に、一括で照明をON/OFFできますか?もし必要なら連動させて一括ON/OFFできるようにしましょう。
うちは玄関すぐ右手の土間収納に、一括でスイッチON/OFFできるように集約してます
キッチン・パントリーでチェックするポイント
キッチン・パントリーは日常的に使う部屋なので、他の部屋よりもしっかりと検討されていると思います。
しかし、念の為確認しましょう!
キッチンの高さは合っている?
キッチンの高さは自分の身長に合わせて選びましたか?
キッチンの標準的な高さは85cmですが、これは身長160cmの方向けの高さです。
理想の高さは「身長÷2+5cm」で求めることができるので、ご自身の身長に合わせた高さにしましょう!
私のように170cm近くある方は90cmを選びましょう
パントリーの計画・ゴミ箱の場所はOK?
パントリーは今や注文住宅の必需品ですよね。
いまは賃貸なのでストックする場所はありませんが、できることならコスパもよくなるまとめ買いに憧れます。
このパントリー、なんとなく用意はしたけど、「使ってみたら狭すぎた!」「こんなに広さいらない!」という声がよくSNS上でも上がってます。
ゴミ箱の位置も合わせて確認しましょう。
例えば
・ゴミ箱を置く場所決まってますか?高さはフタを開けたときを考慮してますか?
・パントリーの奥行き、幅は無印などの収納ケースに合わせてますか?
※合わせて置かないと変な隙間ができてしまいます💦
・家電を置く場合はコンセントを十分用意してますか?
・炊飯器用にスライド棚は不要ですか?
他にも、我が家はパントリー内にニッチを作って、インターホン・スイッチ類を纏めましたが、可動棚の奥行きの考慮が必要でした。(可動棚なのにニッチ部分には置けないことになってました💦)
家電類はドンドン便利なのが出てきているので、今使いたいと思っている家電分+1セット(二口)のコンセントを用意した方がいいかも
LDKでチェックするポイント
おそらく一番長い時間を過ごすことになるLDK。暮らす姿をしっかりと想像しましょう。
巾木の種類や色は確認しましたか?
部屋の周りをグルっと回っている巾木ですが、通常6cm程度のプラスチック製のものが付けられます。
インスタグラムなどで調べない限り、わざわざ提案されるのも少ないですが、材質・高さに種類があります。
例えば
・巾木の色はクロスと合っていますか?
・巾木の高さは検討しましたか?
(通常は60mmほどありますが、12mmの細いタイプもあります)
・材質はなにか知っていますか?
種類はプラスチック・木・石・アルミなどがあります。
うちは細いタイプの製品を探して、河合精巧さんのミニ巾木を採用しました。
高さがわずか12mmのスタイリッシュさで、色も10種類と豊富です。
床材の向き
通常は長手方向に流される床材の向きですが、気にしたことがなければ平面図チェックの機会に確認してみましょう。
例えば
・床材は長手方向に配置される予定になってますか?
・変なところで見切材が入っていないですか?
他にも、部屋別に床材を分けている場合、間違っていることもあるようなので注意しましょう
コンセント・ガスコンセント
他の部屋も同様ですが、コンセントの付ける数と場所・高さは計画されていますか?
例えば
・コンセントの数は必要十分ですか?
不安だから多く付け過ぎて、壁がコンセントだらけにならないように。
・充電基地は想定していますか?
・ガスコンセントを付ける場合、位置はそこでいいですか?
充電機器は増える一方で、ごちゃごちゃする場所No1なので、ある程度想定しておきましょう。
子供のおもちゃも最近は充電式が増えているのでご注意を。
スイッチにラベルついてないですか?
わかりやすく、あえて付ける場合はよいんですが、不要なのに付いていることがよくあるようです。
スイッチの連動計画の確認も必要ですが、このラベルの有無は確認しましょう。
壁の補強はいらない?
DIYされる方は壁の補強を依頼しておいた方が安心です!
寝室でチェックするポイント
寝室は、我が家でもクロス変更時にコンセントの色など変更し忘れていたので、要注意です!
アクセントクロスと他部材の色調は合ってますか?
寝室はアクセントクロスを入れる方が多いと思うのですが、他の部材の色調をあわせるのをお忘れなく!
例えば
・コンセントやスイッチの色はアクセントクロスと合ってますか?
(壁ブラックなのにホワイトになっていないです?)
・巾木も同じく色調あってますか?
照明計画
これは我ら夫婦としては、しっかりとチェックしていただきたいポイント!
妻が、少しでも光源があると全然寝れないんです。。。
例えば
・天井にダウンライト複数灯が当たり前のように付いてませんか?
・調光機能や、ベッドからの照明操作は考えられてますか?
我が家は「天井照明なし」にしました。コンセントタイプの設置型の間接照明のみです。
その分、コンセントはスイッチと連動させてスイッチでON/OFFできるようにしています。
トイレでチェックするポイント
窓は必要ですか?
採光・換気目的で窓を取ることも多いですが、トイレの方角や照明計画次第では窓は不要だと思ってます。
もし採用するとしても、種類の最終チェックはお忘れなく!
予想外の標準設備が付いていない?(収納や手摺)
施主側から確認するまで標準仕様として、様々な部品が勝手に付いていることは多いです。
僕達も、トイレはスッキリさせたかったので収納など不要と思って設計してましたが、トイレ本体裏の収納や手摺が付いていました💦
例えば
・トイレ裏の収納や手摺は必要ですか?見た目・形状は確認しましたか?
・施主支給する部材はキチンと取り外されていますか?
・引き渡し後にDIY予定であれば、壁補強はされていますか?
壁補強は一面するのか、一部だけなのかも確認ポイントです!
洗面所・脱衣所でチェックするポイント
収納計画はもちろんですが、地味に以下の点が漏れるので注意してください。
例えば
・衣服の収納や導線は計画していても、便利家電の配置場所決まってますか?
・除湿機・サーキュレーター・足元ヒーターなど、これから増えるモノも想定しましょう。
・他部屋と同様、後付でDIYする場合は壁補強をしっかりと確認しましょう。
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風呂でチェックするポイント
ここまで記載した他部屋と重複する内容もありますが、特にこだわりがない方でも以下は確認しましょう!
例えば
・扉は標準だと折戸が多いですが、開き戸などは検討しましたか?
・お風呂内のカウンターは本当に必要ですか?掃除手間を考えると、外すのも選択肢です。
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子供部屋(将来仕切る場合)でチェックするポイント
子供部屋を将来仕切ろうとしている方は、照明計画・コンセント・電気配線も柔軟に対応できるか最終確認しましょう。
例えば
・天井補強に漏れはない?
・照明・コンセントは仕切る部屋分用意されている?
・スイッチの計画はされてますか?
(新築時に柱と一部だけ壁を付けておき、そこにスイッチを付けておきこともできます)
・スイッチも後々工事する場合は電気配線を天井まで持ってきてもらっておきましょう!
うちは子供3人なので、3部屋分の天井補強をしつつ、電気配線は天井までもってきてもらうようにしました。
そうしておけば、将来壁を作る際に簡単にスイッチに配線できるわけです
その他チェックするポイント
他にも個別の部屋に限った話ではないですが、以下も後悔ポイントになりやすいらしいので、要チェックです!
天井点検口・床下点検口
天井点検口や床下点検口はジャマじゃなく、目立たない場所に配置されていますか?
収納の中や、各で隠せる位置などにキチンと配置されていることを確認しましょう。
また、デザイン面でも床材と合わせて目立たなくすることもできるので、担当者さんに確認しましょう。
ロボット掃除機基地(通称:ルンバ基地)
これはロボット掃除機ユーザの皆さんは確認されるかと思いますが、必須の場所ですね。
ただ、最近のロボット掃除機はダストボックス付きが多いので、幅・高さはしっかりと確認しましょう!
「なんとなく」で場所を用意したけど配置できない・・・ってことにならないようにだにゃ
さいごに:チェックして良かったこと
今回、以下の部屋別に間取り・平面図のチェックポイントを紹介しました。
チェックポイント
・外観
・玄関・土間収納
・キッチン・パントリー
・LDK
・寝室
・トイレ
・洗面所・脱衣所
・風呂
・子ども部屋
・その他
ぼくら夫婦も入念に平面図と見積内訳をチェックしたところ、数回に分けて間違いや予想外の仕様を見つけました。
チェックして良かった点
・寝室の巾木・コンセント・スイッチカバーの色まちがいを発見
・畳部屋のカウンターの数が間違っているのを発見(数万円減額)
・トイレの不要な収納・手摺を発見(数万円減額)
・天井点検口の場所を移動
・コンセント場所の追加
・床材の記載間違いを発見
このチェックポイントを参考にしながら、ぜひ平面図や見積の確認をしてみてください!
後悔してからでは遅いですし、確認することで減額箇所も発見できるかも!
それではよい家づくりを!